史上初!BlockChainへの攻撃
MONAコインのブロックチェーンが大規模な攻撃にあい、大きな価格の下落とLivecoin取引所のコイン消失が起こりました。今回はMt.GoxやCoincheckのような取引所におけるセキュリティ問題ではなく、実質的なブロックチェーンへの攻撃となりました。
参考 モナコインへの攻撃について
モナコインへの攻撃について(Block withholding attack) | ビットコイン研究所
モナコインに対する攻撃|史上最大級のブロックチェーン攻撃事件
ブロックチェーンの正体
https://jp.techcrunch.com/2015/10/19/blockchain/
今回の攻撃における名称。
- Block Withholding Attack
- Selfish Mining
Bitcoinなどで多く採用されているProof of Workですが、通常はマイナーがブロックを生成すれば、すぐさまブロードキャストされるのですが、今回の興味深い特徴は、何者かが敢えてブロードキャストせずに、水面下で膨大なハッシュパワーを利用してブロックをせっせと掘り続けていたという点です。
プロトコルでは長いチェーンを正規のチェーンとして採用する方式をとっているため、モナコインを交換して引き出した痕跡を消し去る目的で、タイミングよく隠していたブロックをブロードキャストし、分岐したもう一方のチェーンを消し去ってしまう(ブロックの再編成)という特性を利用した手法。それにより、取引所は受け取ったコインが消滅しました(ダブルスペンド)
想定できた手法ですが、(51%攻撃による全てのブロックを改竄したわけではないにせよ)、今までは現実的ではないと考えられていました。ただし、現代は東ローマ時代よりも複雑怪奇なビザンチン帝国であると思わなければなりません。POWをなぜ採用しているのか、今いちど参加者は逆説的に考えるべきです。認知が拡がり、利用者が増すほどに厳格なプルーフが必須なのです。
ブロックチェーンといえども完璧なシステムではないのであり、寧ろ抗うことのできない矛盾を内包しています。今後も様々なテクノロジーと脅威が生まれるでしょうが、この世には薬もあれば毒もありますから、まずは油断や怠慢に足元をすくわれない為の意識が、それこそ合意形成が大切なのではないでしょうか?
民主的な願いが(そうであって欲しい)、パブリックで非中央集権、またはトラストレスな新たな通貨モデルを創り上げました。ビットコインのGenesis Blockが生成された日時は[2009-01-03 18:15:05]ですが、このブロックには作成者の意図が刻まれているのです。
なぜイギリスがEUから離脱したのか、なぜトランプが大統領になったのか、なぜポピュリズムが台頭しつつあるのか、ピンと来ていた人達はブロックチェーンと仮想通貨革命が訪れる事は必然だったと気付いていた事でしょう。投機的にしかみてない人は、ただのバブルか恐慌でしかありません。が、本当は、凄まじいパラダイムの転換の中に私たちは居るのです。
「The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks」